ZENがグローバルワードになり、世界中から禅が注目される中、日本でも禅に取り組む方が増えてきましたね。
いろんなお寺でも坐禅(座禅)が行われるようになり、ネット上でもたくさんの坐禅(座禅)体験会や組み方、やり方などの情報を見かけるようになりました。
ですが、その表記はさまざまで、「坐」禅と書かれていたり、「座」禅と書かれていたりします。どちらも読み方は同じ「ざぜん)です。
この記事では、その表記の違いについて、ご説明いたします。
「坐禅」と「座禅」 どちらが検索される?
雑誌や新聞やネット記事、さまざまなところで見かけるこの言葉。
いまや坐禅(座禅)会もネットで探しますよね。
まずは、お決まりのGoogleさんに聞いてみました。
検索ヒット数 | |
坐禅 | 約 2,980,000 件 |
座禅 | 約 3,840,000 件 |
大きな差はないものの、「座禅」のほうが多いですね。
「坐禅」と「座禅」 漢字の違いは?
この「坐禅」と「座禅」。漢字に違いがあるわけです。
それぞれの言葉を調べてみましょう。
①すわる。すわる場所。また、おさまる地位。くらい。「座席」「王座」 ②集まり。つどいの席。「座談」「満座」 ③中世の商工業の同業組合。 ④江戸時代、貨幣などを造った公設の機関。「金座」「銀座」 ⑤能楽・歌舞伎(カブキ)などの団体。また、舞台や劇場。「高座」 ⑥星のやどり。「星座」 ⑦ものをすえる台。「台座」 ⑧神仏の像などを数える語。 ⑨います。「いる」「ある」などの尊敬語。
goo辞書
①すわる。ひざまずく。「坐臥(ザガ)」「坐相」 ②いながら。何もしないで。「坐視」 ③そぞろに。なんとなく。「坐見」 ④罪にふれる。まきぞえ。「連坐」 ⑤おわす。まします。「いる」「ある」「行く」などの尊敬語。
goo辞書
同じ「座」「坐」という字ですが、その意味は異なるのです。「座」がすわる場所を表しているのに対し、「坐」はその動作を表しています。
よくよく考えると、座布団や座敷という言葉は、場所ですよね。とすると、坐禅(座禅)はその場所を表しているのではなく、動作を表すことになるので、「坐禅」が正しいように思われます。
「坐禅」と「座禅」 お坊さん的には?
「坐禅」と「座禅」 漢字の性質による違いは理解しました。
そこで、本家本元のお坊さん(禅宗)的にはどちらなのか、聞いてみました。
結論 「坐禅」が正しい!
どちら間違っているというわけではなさそうですが、厳密には、以下の2点から「坐禅」が正しいようです。
- 「坐」という漢字は動作を表し、「座」という漢字は場所を表す。
- 「座」という漢字につく「广(まだれ)」は、家屋や屋根を意味し、屋内であると限定してしまうため、屋内外問わず行う「坐禅」とするのが正しい。
テレビや新聞では常用漢字ではないことから、「座禅」が使われてしまっているようですが、僧侶の監修により、正しい表記になってきているものもあるようです。
また、Googleで検索する際はSEO対策が重要になってきますので、記事を書かれる際に、みなさんが「座禅」と検索することが多いため、「座禅」という表記が多くなってしまっているようです。(意味を理解した上で記事を書かれているのであればよいですが・・・。)
以上、「坐禅」についてでした!